書籍・図録

Publications & Catalogs

書籍・図録

中谷有逸(1936–2025)の作品世界を理解する上で、書籍・図録は欠かせない手がかりとなります。
凹凸併用版の誕生からステンシル技法の確立、そして「碑・古事記」シリーズへ至るまでの創作の軌跡は、展覧会図録や記録書籍の中に丁寧に保存されています。
ここでは、作家本人の言葉、学芸員による分析、作品図版、制作資料などが収録された主要書籍を、実物の内容に基づいて詳細にご紹介します。

CATALOG 2014

中谷有逸展:碑を刻み、生命を謳う。

2014年11月 / 北海道立帯広美術館 刊行(帯広市民ギャラリー同時開催)

2014年に行われた大規模回顧展の公式図録。
初期の《鳥の碑》から、凹凸併用版の成熟期、1990年代の大型作品、そして晩年のステンシルと「碑・古事記」シリーズまで網羅した、最も内容の充実した図録です。

主な収録内容
  • 全140点以上の大判カラー図版
  • 技法解説(凹凸併用版・ステンシル・コラージュ)
  • 詳細な年譜(1936–2014)と参考文献リスト
  • 中谷本人の記述・書簡の引用
  • 学芸員による長文の作品解説と批評的考察
中谷芸術の全容をつかむための“決定版資料”
ART BOOK 2012

中谷有逸 − 古代のかたち、色への憧憬

2012年8月 / 響文社 刊行

色彩・素材・古代造形への関心を軸にまとめられた作品集。
縄文・弥生土器、銅鐸、石碑、原始信仰に触発された形象がどのように中谷独自の「碑」の造形へ変換されていったかが、豊富な図版とともに示されています。

主な収録内容
  • 古代彫塑・土器の写真資料と、中谷作品の比較構成
  • 凹凸併用版の中期代表作を中心に収録
  • 色の重ね方、樹脂層の作り方など、制作プロセスに踏み込んだ解説
  • 作家本人のテキスト(制作ノート)も引用
「かたちの源流」と「色の記憶」を辿る一冊
BOOKLET 2011

中谷有逸 − 版画家

2011年11月 / 響文社(北のアーティストドキュメント 6)

作家の半生をコンパクトにまとめた入門書。
書籍には少年期のスケッチ、教員時代の写真、初期の油彩作品、凹凸併用版の最初期作などが収録され、作風の変遷を順を追って理解できる構成となっています。

主な収録内容
  • 帯広移住以前(札幌・岩見沢時代)の情報が詳しく掲載
  • 能勢其美・新妻清・宮前三春ら師の影響を記した生い立ち
  • 1950年代〜70年代の初期資料が豊富
  • 凹凸併用版の誕生経緯をわかりやすく紹介
手軽でありながら資料性が高く、研究の入口として最適
CATALOG 1995

中谷有逸展:見えざる碑像

1995年 / 北海道立帯広美術館 刊行

1995年の回顧展に合わせて制作された図録。
凹凸併用版の発展や、合板を切り抜いた「かたち」の追求、資料価値の高い1990年代の大作群が収録されています。

主な収録内容
  • 《碑(海・蠕動)》制作時の記録写真
  • 市民と共同制作した4点の大作に関する特集
  • 1990年代のコラージュ作品の詳細写真
  • 「かたちを彫り出すように生み出す」という作家自身の言葉
初期〜中期の“作家の核”が凝縮された内容

その他の刊行物・記録資料

  • 帯広美術関係者連絡協議会 資料(1991–) 北海道立帯広美術館の開設に至る活動記録や、中谷が代表を務めた会議の記録などが一部収録されています。
  • 北海道版画協会展・モダンアート協会展 出品記録 1950年代〜70年代の初期活動を知るための重要な展覧会資料です。
  • 個展リーフレット(1970–80年代/札幌時計台ギャラリー) 作家自身による短い文章や、当時の批評文が残されています。
  • 作品販売・蒐集家向けの小冊子(非公開資料) 素材解説や、美術館には収蔵されていない小作品の記録などが含まれます。

中谷有逸の書籍・図録は、技法の変遷、思想の深化、
そして地域との関わりを読み解くための総合的なアーカイブです。
最新の資料や今後の刊行物については、当サイトで随時お知らせします。

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